東京チカラめしという牛丼チェーン店に関して、ネットでは今も時々名前が挙げられているのを見かけます。
その際、味や思い出のことは一切語られずに経営面のことばかりネタにされている印象があります。

チカラめしといえば元祖!焼き牛丼(以下、焼き牛丼)という看板メニューを掲げて事業展開しているチェーン店です。
店舗数が多かった当時は普通の牛丼との差別化によりそこそこ人気があったと記憶しており、他の牛丼チェーン店が焼き牛丼を限定メニューで出していたりもしました。 しかし、今話題となるのは焼き牛丼自体ではなく、2010年代に急激に店舗数を拡大してその後一気に縮小した、いわゆる「事業拡大失敗」のモデルケースとして取り沙汰されることが多いです。
実際は一番価値の高い時に売却していて経営戦略的に正しいとか、拡大していった店舗のほとんどがフランチャイズだからダメージは少ないとかそういった話もありますが、私はそんな話がしたいんじゃないんです。
ここで今一度、あの焼き牛丼の味に思いを馳せようじゃあないですか。
語ろうにももう店が無いって?
それが、最近東京に新規店舗がオープンしたらしいですよ。
自分語り・チカラめし語り
東京チカラめしは私が大学生の頃に店舗数の全盛期を迎え、かつ当時私の周りで流行っていたこともあり月2〜3回は通っていた時期がありました。カレーや定食には目もくれず、もっぱら焼き牛丼並盛 (財布に余裕のあるときは大盛) ばっかり注文していました。チェーン店なのに店舗や時期によって味のブレが激しく、特になぜか白米の質がめちゃくちゃピンキリだった記憶があります。具体例を書くと生活圏がバレるので割愛しますが、この店舗は微妙だったから1駅隣のあの店舗に行くみたいなのが客 (大学生辺りの時間と電車の定期券がある層) の共通認識としてあった気がします。
この記事を書くにあたり当時の写真を漁ったもののついぞ焼き牛丼の画像を見つけることが出来ず、記録を残す大切さを改めて実感しました。

そんなチカラめしも私の学生生活後半〜就活の時期に閉店が相次ぎ、よく通っていた店舗もことごとく消滅してしまいました。
その後大阪・日本橋にて (当時) 国内唯一の生き残りの店舗の写真を撮ってはいるのですが食べたかどうか記憶に無く、確実に食べたのはコロナ禍前の新宿西口店が最後になります。
結果的には2023年に他の店舗がすべて閉店し、この大阪日本橋店が国内最後の店舗となりました。
- 大阪に東京を関するチェーン店の最後の一軒が残っているのが、日本での需要が少なくあまり漁獲もされていないシカメガキがアメリカではクマモトオイスターとして盛んに養殖されて親しまれているような趣を感じさせてくれます。

そういった経緯もあり最早チカラめしのことなど忘れて過ごしていたある日、「いつの間にか東京にチカラめしが復活している」という怪情報を耳にしました。
公式サイトを確認しても店舗一覧には載っておらず、調査したところ「東京チカラめし食堂」なるページが見つかりました。

どうも2024年5月にオープンしており、今月でちょうど1周年を迎えるようでした。
明らかにテンプレそのままのレイアウト、企業名のコピーライトが無いなど怪しさも感じるWebサイトですが、Googleマップを見る限りはどうやらマジで存在しているようです。
そして住所は都内の庁舎内を指しています。「食堂」というのは職員食堂を指しているのでしょうか?
その関係か平日昼間しか営業しておらずなかなか行くタイミングも無いかと思っていましたが、ちょうどゴールデンウィークの間で有休を取っていたのでそこを有効活用することにしました。
- 私は過去に特許庁の食堂を使ったこともあるので、一般利用の機会はこれで2度目でした。
いざ九段下

4月某日のお昼過ぎに、東京メトロ九段下駅で下車しました。
全く関係無いですが私が九段下に来たのは2019年に日本武道館で開催されたオードリーANN のイベント以来でした。
奇しくも最後にチカラめしを食べたのと同じ年以来でしたが、流石に街の構造等は変わっていなかったと思います。
神保町からも歩ける距離だったのでどちらを利用しても大丈夫だと思います。

駅から5分ほど歩き、九段第2合同庁舎に到着しました。庁舎に入っている組織として東京法務局や税務署、東京航空局など仰々しい名前が並んでいます。GWの合間ではありましたが人の往来はそこそこあり、体感としてオフィスワーカー:用事がある一般市民=1:1ぐらいだったと思います。
本当にここにチカラめしが……?と思いながら中に入り、1秒で疑念が払拭されました。

「食堂」という接尾辞はまだ馴染みがないものの、フォント・カラーリング・「焼き牛丼」という商品名はまさにここ数年東京から失われていたものそのままでした。
入口を入って左手にある階段を下り、地下一階へと向かいます。


